令和5年(2023)6月2日~3日
気象庁アメダス Data
(単位 ミリ) 6/2 6/3
一日積算降雨量 104.5 130.5
1時間最大雨量 1) 17.5 47.5
2) 17.5 38.0
1) 雨量が最も多かった1時間の雨量(今回は 01:20~02:19)
2)1:00~2:00のように、区切りのよい時間枠で集計される雨量
<雨雲の動き>
接近した台風2号が梅雨前線を刺激し、6月2日から3日昼前にかけて関東甲信地方は激しい雨に見舞われました。
けれども線状降水帯の発生はありませんでした。
6月2日 15時
6月3日 2時
6月3日 11時
<浸水の状況>
注)上記の葛南土木事務所による降雨量は、このページトップに書いたアメダスによる降雨量と違っています。たとえば1時間ごとの最大雨量はアメダスで38ミリ、上記の葛南土木事務所データでは27ミリ程度です。この違いについて問い合わせたところ、降雨量が場所によって異なることはよくあるとのこと(雲一つでも変わる)。今回も船橋市各地で降雨量はかなり違います(ぺージ最後を参照のこと)。ちなみにアメダスの観測所は薬円台5丁目、上記の葛南土木事務所の雨量計は東町896番地です。
<状況分析>
今は海老川下流より、上流の支流の方が危ない
海老川の北に流れ込む支流では、6月2日18時の時点で念田川が溢れ(写真③)、北谷津川も溢れそうです(写真②)。雨がひどくなったのはその後、6月2日から3日の深夜ですから、北谷津川も溢れた可能性が十分あります。写真をお持ちの方はぜひお送りください。
飯山満川の上流の芝山・西習志野の一部(写真⑧)では、周囲より低い土地にある複数の住宅が床上浸水しました(正確な家屋数は不明です)。原因は、増水で流れてきた泥やプランター、プラスチック製品などが排水口を覆ってしまったためとのこと。深夜1時半過ぎ、「20分ほどで、あっという間に水が上がりました」と被災した方が証言されています。水は道路から105cmまで上がったそうです。
飯山満川の中流の水位は高くないものの、海老川との合流点では堤防から溢れた痕跡が確認されました。
一方 海老川本川は一時氾濫危険水位を超えたものの、溢れることはありませんでした。河川技術者によると、海老川の堤防は氾濫危険水位から60cm 高く造っているとのこと。また海老川本川の周囲での1時間最大雨量が30ミリにならなかったことや、かろうじてまだ自然遊水地(海老川上流地区と海老川調節池の予定地)が残っていることが幸いしたと思われます。
お気づきのように、気象庁(アメダス)でも千葉県でも、1時間あたりの最大雨量の表記には2種類あるようです。ひとつは1時~2時のように区切りのよい時間枠で集計された雨量。上記のようなグラフに表記する時などに使われます。もう一つは雨量が最も多かった1時間を切り取った雨量です。1時間あたりの最大雨量と言う場合、通常は後者が用いられます。
また降雨量も場所によってかなり違うようです。千葉県の葛南土木事務所が船橋市の複数地点に設置している雨量計によると、通常の定義による1時間あたりの最大雨量は以下の通りです(一部のみ)。違いの大きさに驚きます。
東町は海老川上流地区(メディカルタウン予定地)の端にあたりますので、海老川上流地区に降った雨をより反映していると思われます。
<データの読み方に注意>
参考→ 薬円台 47.5ミリ(気象庁アメダスデータ)
前貝塚 21ミリ
東 町 29ミリ
浜 町 52ミリ