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船橋医療センターの移転が国会で取り上げられました

更新日:2023年8月23日



 海老川の視察にも来て下さり、5月末の「第1回流域治水シンポジウム」でも基調講演をして下さった嘉田由紀子参議院議員の事務所から連絡があり、8月17日の参議院災害対策特別委員会の中継を視聴しました。


 委員会では7月の梅雨前線による豪雨被害の報告や、被災者支援、被害を軽減するための各種対策などが話し合われていました。


 委員である嘉田由紀子議員は質疑の中で、災害時に救急医療を担う災害拠点病院の浸水リスクについても取り上げました。7月に発表された厚生労働省の調査によると、全国の災害拠点病院の29%が浸水想定区域にあり、今回、秋田の災害拠点病院も浸水被害によって機能不全になったことなどを挙げ、こうしたリスクを軽減するための国の対策や支援について質問しました。


 最後に嘉田議員は船橋市のメディカルタウン構想について、「現在高台にある災害拠点病院を浸水リスクの高い低湿地に移転させる計画であるが、国としてこうしたケースへの指導・助言を行うことは可能か」と質問。

 これに対し、国(厚生労働省)は、「一般的に病院の移転は患者のアクセスや地理的条件などを総合的に勘案して決められる。浸水リスクも検討・留意される事項である。災害拠点病院の指定は都道府県が行うが、千葉県は(船橋市医療センターの)移転先が指定要件に合致しているかどうか確認が必要であると考えている。国は県からの相談があれば必要な助言を行う」と述べました。


 厚生労働省が災害拠点病院と浸水想定区域の調査を行ったのは、近年の豪雨の増加により浸水被害に遭う災害拠点病院が増え、災害時の医療に著しい支障が出ているためです。国は、浸水想定区域にある災害拠点病院はできるだけ安全な高台へ移転することを促す一方、移転がむずかしいケースでは止水板や排水ポンプの設置など、できるだけ被害を小さくすることを(災害拠点病院の)指定要件に加えています。

 災害拠点病院である医療センターをわざわざ浸水想定区域に移すことは、メディカルタウン構想が打ち上げられた当初から多くの人が懸念してきたことです。これが国の方針にも逆行することであることが、嘉田議員の質疑応答のおかげで確認されましたので、当会も今後この問題をフォローしていきたいと思います。


 

<追記>

 今回の災害対策特別委員会では、内水氾濫の予測の精度を高め、ハザードマップに反映する必要があることも確認されていました。7月の秋田での水害で顕著だったように、都市部では内水氾濫による浸水被害が大きいためです。都市化が進んでいる船橋市でも内水氾濫は近年の水害の主要原因です。ちょっとした雨でも道路が川のようになっているのを目撃している方は多いでしょう。にもかかわらす、昨年船橋市が行った洪水シミュレーションでは内水氾濫は検証から除外されました。そのようなシミュレーションの結果に信ぴょう性がないことは明らかでしょう。



参議院インターネット審議録画は、以下でご覧になれます。会議名は「災害対策特別委員会」、日付は8月17日です。発言者一覧から嘉田由紀子氏を選択してください。


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