JR東日本と東急不動産が提携してまちづくりを行うという全国的に注目を集める試み。その第一号が市場1丁目のJR社宅跡地の再開発です。
敷地は市場小学校と中央卸売り市場にはさまれた約4.5ヘクタールの土地。この土地は海老川に面しているため、今後増加する水害リスクに配慮したまちづくりを行なってほしいと考える当会は、JR東日本と東急不動産に対し、治水対策について話をしたいと要望していました。
これを受け入れたJR東日本と東急不動産の協力で、6月12日に両社と当会との話し合いがもたれました。
当会は、この土地の上流で遊水地を埋め立てる巨大事業(メディカルタウン事業)が進んでいるため、その下流にあたるこの土地の水害リスクは格段に高まっていることを説明しました。その上で以下を要望。
1. 調整池の容量を上回る、新たな水害対策
千葉県より「県の規定どおりの調整池(開発区域1ヘクタールにつき1370㎥)を造るよう伝えてある」と聞いたが、その容量を上回る水害対策をお願いしたい。なぜなら現在の基準は昭和51年に決められたもので、豪雨の時代の水害対策としては不十分だと考えられるため。
2. グリーンインフラの導入
木々や緑地を多く配置して土地の保水力を維持してほしい。緑が豊かであることはヒートアイランド現象を和らげるだけでなく、子どもたちの情操教育上も望ましい。まちの価値も上がる。市場小学校の子どもたちが農業体験できるようなスペースがあってもよいのではないか。
JR東日本と東急不動産は、提携事業は今年2月にスタートしたばかりであり、現時点でこの土地のまちづくり計画はまったくの白紙。2年後くらいに工事を始められたらよいと考えていると答えました。ただ集合住宅を中心に考えていること、調整池の設置等の法令は順守し、治水に対しての当会の懸念にも配慮するとのことです。計画づくりが具体化してきた段階で、周辺の住民への説明会を行うと明言しました。
新しく作るまちの内外でのコミュニティーづくりも重視し、自治会長など、地元住民の声にも耳を傾けたいとのこと。
市税は全く入らない民間の事業ですが、地域住民に配慮しようとするJR東日本と東急不動産の姿勢は、まちづくりのために莫大な市税を受け取りながら、市民への事業説明会を拒否し続けている海老川上流地区土地区画整理組合と㈱フジタの不誠実な姿勢とは対照的でした。
今後も豪雨の時代の再開発のモデルケースになるよう、意見交換を続けたいと思います。
<参考資料>
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