11月20日(日)、メディカルタウン事業が船橋市の現在と未来に与える影響を多角的に解説する市民セミナーが開催されました。主催は当会ではなく、市民有志による「メディカルタウン構想のホントの話 実行委員会」です。メンバーはそれぞれきっかけがあってメディカルタウン構想について調べ始め、その結果、この事業は船橋市の未来に悪影響を与えるのではないかという危機感をもつに至った市民たちです。当会のメンバーも含まれます。
この事業は総予算634億円(うち市税は558億円)という巨大なものでありながら、一度も市民に事業の説明会がされることなく準備工事が始まっています。市民が何も知らないまま、市民の命や生活に関わる大事業が行われて良いはずがありません。けれども、市も事業主の土地区画整理組合も説明会を拒否してきました。それなら市民がやるしかない。まずは問題を知ってもらわなくては。そんな思いで企画されたセミナーです。
2時間半を超える長丁場だったにもかかわらず、途中退席する人はほとんどなく、セミナーの最後には、「どうしたらこれらの問題を市民に知らせることができるか」「どうしたら事業を見直させられるか」という議論になりました。これに対し主催者から「まずはセミナーの内容を周りの人や自治会長に伝えること」、そして解説者の佐野氏などから「三番瀬を守ったのは市民の力。市民の力で押し戻せる」「市民が動かなければ」「あきらめてはいけない」という力強い意見が出されました。
セミナーの最後には、実行委員会の声明文「次世代に負の遺産を残さないために」が読み上げられ、散会しました(声明文はこのページの最後をご参照ください)。
皆さんの広報活動に使って頂くためにも、セミナーの内容を編集して、このホームページやYouTubeで、また冊子としても発表する予定です。
今回の活動レポートでは、概要のみお伝えします。
<セミナーの概要>
(第一部)解説
1)治水 (解説者「流域治水の会 船橋」)
動画「船橋メディカルタウン構想は洪水を引き起こす!」上映
2)防災 (解説者 NPO法人シビルまちづくりステーション理事長 廣田 治)
地質・土木から考えるメディカルタウン構想
3)財政・福祉 (解説者 フリージャーナリスト 飯沼 素子)
メディカルタウンとお金の話(市の財政から事業を見る)
4)自然環境 (解説者 東邦大学理学部非常勤講師 佐野 郷美)
環境・生物から見たメディカルタウン構想
(第二部)質疑応答
質疑応答では、「1時間70ミリの雨に対応する調整池を造るというが、本当にそれで安全なのか」「市議会は市民の負担を軒並み増やすようなこの事業をどう思っているのか」「盛土はどこから持ってくるのか」「医療センターは今の場所で建て替えられないのか」など様々な質問が出されました。こちらも第一部のまとめと一緒に後日ご紹介します。
このほか、2019年の豪雨によって死者7人を出した千葉県一宮川で、行政とともに「流域治水」による治水対策を進める市民団体から発言があり、「いくらかさ上げしても川幅を拡げても全然だめ。水は乗り越えてきた」「調整池は何の役にも立たなかった」などの体験談が語られたほか、「メディカルタウン事業は国の進める流域治水に逆行している」として「市民が市や県に訴えることが必要」「事業の中止をあきらめないで!」というエールも送られました。
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