最大想定被害額5452億円。市の歳入の2.5倍!
各都道府県では、主だった二級河川の水系ごとに、氾濫時の被害想定額を出しています。
海老川水系が氾濫したら、どのくらいの被害が発生するのか。千葉県に想定被害額の情報公開請求をしました【『広域河川改修委託(氾濫解析)業務報告』(令和元年12月23日)】。
これは実際の被害額を集計したものではなく、千葉県が定めるルール(浸水深別の計算式)にのっとって算出したものです。踏まえたデータがちょっと古いので、今とは違っているかもしれませんが、これが最新版ということになっています。
想定額は、計画規模の雨量(9時間221ミリ)の場合と、想定最大規模の雨量(9時間516ミリ)の場合の二種類出されています。
注意すべきなのは、想定額は川から直接溢れる外水氾濫だけを対象としていること。内水氾濫(川が溢れるのではなく、側溝やマンホールから水が溢れて浸水する都市型氾濫)による被害や、土砂崩れによる被害などはふくまれていないのです。このため、実際にはこの想定額をはるかに上回る被害が予想されます。
1)計画規模の雨量(9時間221ミリ)による想定額
◆ 約 783億円 ◆
算出の条件等は文末の文書参照
2) 想定最大規模の雨量(9時間516ミリ)による想定額
◆ 約 5452億円 ◆
算出の条件等は文末の文書参照
5452億円は、令和3年の市の歳入(一般会計予算)2121億7千万円の約2.5倍にあたります! 令和2年の一般会計、特別会計、企業会計の歳入総額である4423億7286万円もはるかに上回っています。
さらに問題なのは復興費
もう一つ考えなければならないのは復興費。おそらく被害額を超える金額になるでしょう。特に、新たに道路や橋などのインフラを復興する費用を考えると、ちょっと想像がつきません。
国土交通省が洪水対策の強化を呼び掛けている理由の一つは、この復興費がとてつもない金額になるからです。
計画規模であれ、想定最大規模であれ、被害額と復興費を合わせれば、とんでもない金額の税金が吹き飛びます。つまり、洪水のリスクを高め、建物や道路のメンテナンスにお金がかかる今のメディカルタウン構想は、見直さなければならないのです。
市長が新しい町が必要と言う根拠の一つ「船橋市はまだまだ人口が増える」は夢物語。遠からずやってくる人口減を見据えて、税金は大切に使ってほしいものです。
資料)想定被害額算出条件
『広域河川改修委託(氾濫解析)業務報告』(令和元年12月23日)
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