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市場町JR社宅跡地の再開発 治水

  • ryuikichisui
  • 9月3日
  • 読了時間: 4分

更新日:1 日前


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 8月28日、「流域治水の会 船橋」は事業主体のJR東日本と東急不動産、そして長谷工などの工事関係者と面談を行いました。事業の治水対策について詳しく教えて頂くためです。


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 海老川沿いでは、このJR社宅跡地再開発、その上流ではメディカルタウン構想、と二つも大規模開発が行われています。社宅の隣には市場小学校もあります。このため当会は2年ほど前からJR東日本と東急不動産と話し合いを持ち、メディカルタウン構想のために海老川の洪水リスクが上がっていることや、周辺の内水氾濫の状況などを伝え、通常の治水対策だけでなくグリーンインフラなどで更なる豪雨対策をしてほしいと依頼していました。


*グリーンインフラとは、樹木や土壌の力などの自然の機能を使って、災害や社会課題を解決する取り組みのこと。都市や地域の持続可能性を高めるための新しいインフラの形。



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 その結果、東急不動産の発案で、敷地内に4つの雨庭が整備されることになりました。雨庭は雨を地下に浸透させるために作られた緑地(花壇、植栽など)のこと。下水道(最後は川)に流れこむ雨水を減らすことができるので、近年注目されている水害対策です。

 今回造られる雨庭の総面積は192.7㎡、総容量77.1㎥。おそらくこの規模の雨庭は船橋初ではないでしょうか。


 敷地内には東西に延びる大きな中庭(雨庭ふくむ植栽)が設けられ、それがこの開発の目玉の一つになっています。「近所の人も散歩に来てください」とのことなので、水害対策としてだけでなく、憩いの場となることを期待します。


 計画図だけではよくわかりませんが、正直に言うと、雨水の地下浸透を促進するためにも、もっと樹木を植えてほしかったという思いはあります。でも治水対策は概ね妥当と感じました。


◆地下につくる調整池


 このほか、敷地内には県規定の水量(1370㎥/ha)が溜められる地下調整池が造られます。

 調整池とは特定のエリアに降る雨をいったん溜め、少しずつ川に流して川が一気に増水、氾濫しないようにするためのものです。


 調整池は地下に造ると大変お金がかかるため、普通は地上に造りますが、それでは建物を建てられるスペースが減るので、地下にしたと思われます。


 排水の仕方は「自然流下」。池を広く浅く造って、池から川に自然に水が流れ落ちる仕組みです(この開発の池の深さは約1.8m、JR社宅跡地あたりの海老川の深さは現況で約4.5m)。

 完成後は市が引き取って管理しますが、自然流下なので排水にお金はかかりません。


 その対極にあるのがメディカルタウン(海老川上流地区)に造られる5つの調整池。深さ約4m、脇を流れる念田川の深さは約2.6m。池の方が川より深くなっています。結果、ポンプを使わなければ排水できません。そんな造りにしたのは、宅地や商業地にできる土地を少しでも広く確保するためです。


 それならJR社宅跡地のように地下調整池にすればいいのにと思いますが、事業組合はそうしませんでした。造るのに莫大なお金がかかるからでしょう。


 この調整池も完成後は市が引き取るので、ポンプの電気代や維持管理費は市民が払うことになります。千葉県はそうならないように「調整池は自然流下で」と決めていますが、メディカルタウンでは市民負担で管理することになっています(怒)。そこまでして地主たちの私的な開発を市民が助ける必要があるのでしょうか。


◆対照的な市民対策


 今回、事業者側との面談は3回目ですが、私たちからの声に耳を傾け、またできる限り情報を公開しようという姿勢があります。今回も私たちの”突っ込んだ“質問に答えられるようにと、技術系の社員を含め、総勢9人が参加してくれました。メディカルタウン事業の組合と㈱フジタとは正反対で、誠意が感じられます。


 それは開発に使う盛り土の表示からもわかります。JR社宅跡地の工事現場には、盛り土の量や発生元を書いた表示板が出されていますが、メディカルタウンの現場にはそうした表示板が一切ありませんだからどこの土がどのくらい持ち込まれているのか、市民は知ることができません。

「表示は(国の)決まりですから」と長谷工の方。「でもフジタは出さないんですよ」と言うと、びっくりしていました。



⇒ JR社宅跡地の再開発の完成イメージは、以下から見ることができます。

 
 
 

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