今メディカルタウン事業は、入札中止、流域治水の会と市民技術者たちが明らかにした調整池の設計ミス、そして土壌汚染問題で揺れています。今回は入札問題を、次の記事で土壌汚染問題についてお知らせします。
調整池の設計ミスの件はこちらの記事をお読みください(➡記事を読む)。
◆見通しが立たない開院
入札不調
11/15に始まった市議会で、病院の再入札は予定が立たない状態であると市が説明しました。入札の直前に辞退した唯一の会社 (株)フジタ/TSK共同企業体は25%増しの費用と6カ月の工期の延長を要求。市は(少なくとも今は)それは受け入れられないとして、工事を分割して発注することを検討中だそうです。
ただ市が総合ゼネコンや設備業者に聞いたところ、みなコロナで遅れた手持ちの工事で手いっぱいで、2027年(令和9年)以降でないと新しい工事はできないと回答。このため2027年(令和9年)の開院は絶望的であるとのことでした。
◆膨れ上がる建設費
新病院の工事費(土地代や医療機器代などは含まない)は、2017年(H29)の基本設計時は255億円。それが現時点(2024年 実施設計時)では571.2億円と、すでに倍以上になっています。このため、土地代、医療機器代、その他の費用すべてを足した総事業費は723.2億円、借金の利払いを含めた総額は888億円と議会に報告されていました。
11/28の共産党の岩井議員の質問に対し、副病院局長は、仮にフジタ&TSKが求める工事費25%増しを受け入れると、工事費だけで142.6億円増え、利子払いを含めた総事業費は1000億円を超えると答えました。
◆それでも現計画を進めたい市長
岩井議員は「市には病院建設以外にもやるべきことがある。現計画は凍結し、見直すべきではないか」として見解を求めたところ、
病院局長は「医療センターの役割を果たすためにも移転は実現させねばならず、計画をイチから見直すつもりはない。できるだけ早く現計画で進めてほしい」と述べ、
松戸市長は「立ち止まって見直すと時間がかかりすぎる。1000億円を超えるかもしれないが、将来財政への影響などを見ながら進めていく」と述べました。
今後の方針は新病院建設室と市長で決めていくとのこと。「一刻も早く」という理由で、フジタ&TSKに25%増しで発注する可能性があると思われます。当然市民が背負う借金が増え、その返済のために他の市民サービスや事業に回すお金は減ることになるでしょう。
そこまでしてこの病院移転計画に固執する理由は何なのか。市長は周辺地域の浸水被害の増加や、大地震時の液状化による病院の機能不全の問題にも答えていません。
市長はこれらすべてに、市民が納得できるように説明しなくてはなりません。
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