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海老川流域で証明。遊水地の重要性

ryuikichisui
8月28日
読了時間: 4分

更新日:2 日前

海老川上流地区近くに残る元田んぼ。遊水地として機能
海老川上流地区近くに残る元田んぼ。遊水地として機能

 2026年8月13~14日の豪雨時、船橋では1時間62ミリ、24時間210ミリの猛烈な雨が降りました。市内全域でかつてない規模の内水氾濫が発生し、海老川の河口では排水ポンブが海老川の水を海に排水し続けました。13日の18時は大潮の満潮。潮位の影響を大きく受ける観潮河川の海老川は普通でも水位が高くなります。そこに大雨。案の定海老川は18時前後に氾濫危険水位を超え、私たちはハラハラしながら水位計を見守りました。あの雨がもう少し続いていたら危ないところでした。


*海老川の水位とポンプの関係については、「船橋よみうり」で当会代表が解説した「海老川はあふれない?」をお読みください


もしあなたが

「なんだ、あんな大雨が降ったのに海老川は溢れなかったじゃないか。それなら海老川上流地区(メディカルタウン事業地)を開発しても大丈夫だ」

と思ったとしたら大間違いです。実は溢れなかった最大の理由は遊水地1)の存在でした。

 

1)遊水地とは溢れた河川の水を一時的に受け入れる低地で、下流の水位を下げる役割を果たします

 

 

◆開発の遅れ


 度々お伝えしているように、メディカルタウン事業は遅れています。進んでいるのは新駅の建設と念田橋の架け替え工事、そして東葉高速鉄道南側の駅前広場と、ごく一部のエリアの埋立てくらいです。事業地の北の果てにある医療センター用地は盛り土もしておらず、そこに至る広大なエリアも造成工事が止まったまま、土と草に覆われた低地として残っています。



 写真は8月14日午前中の事業地南部(東葉高速線新駅予定地の南側)の様子です。一面巨大な湖と化していました。


 このように、降った雨や周辺の台地から流れてきた水は、まだ低地の残っていた海老川上流地区に溜まったのです。

 開発の遅れで、土地がアスファルトやコンクリートで覆われていなかったのも幸いしました。そうでなければ降った雨は土に沁み込めず、一気に海老川に流れ込んでいたでしょう。


◆海老川上流の支流が溢れた

溢水を示す念田川(8/14撮影)
溢水を示す念田川(8/14撮影)

 海老川の上流にあたる念田川は、これまでもちょっとした雨で溢れてきました。溢れた雨水は周辺の耕作放棄地に流れ込んで湖のように広がり、海老川に流れ込む水を減らしてきたのです。

 現在念田川は整備の途中ですが、今回も溢れた跡がありました。おそらく周辺は水浸しだったでしょう。


 北谷津川は現医療センターの近くを流れて海老川と合流する川です。東葉高速鉄道

60センチほど浸水した北谷津川沿いの福祉施設
60センチほど浸水した北谷津川沿いの福祉施設

に新駅ができることもあり、周辺には新しい住宅が増えています。これまでも北谷津川は時々溢れることがありましたが、今回はかなり激しく溢れたようです。

 川沿いにある市民農園では、翌朝みなさんがダメになった野菜や倒れた支柱などを片付けながら、「ず~っと向こう(市民農園の端)まで水浸しになった」とため息をついていました。

 また近くの老人福祉施設は60センチほど水が上がったとのこと。「かさ上げしているから建物に水は入らなかったけど、駐車場に停めていた車が冠水して動かなくなった」と話してくれました。 


 北谷津川流域では床上・床下浸水がかなりあったのではないかと心配です。


 ただこれも、上流で支流が溢れてもともと低かった周囲の土地にたまり、遊水地になったと言うことができます。


 この他にも海老川の上流域には元田んぼが少し残っており、大きな池ができていました。


 このように、海老川上流の支流が溢れて海老川本川に流れ込む水量が抑えられたこと、またその溢れた川の水や雨を受け止める低地が複数あったこと、そしてなにより、広大なメディカルタウン予定地がまだ遊水地として機能したことが、海老川の中流・下流の洪水を防いだと言えるでしょう。


 川そばに水を溜める遊水地を確保することは、国が推進している新しい治水理念「流域治水2)」の重要な要素です。今回はぎりぎり溢れなかった海老川中・下流も、メディカルタウン事業で広大な遊水地を失えば溢れることは必至でしょう。今回の豪雨は海老川上流地区を開発せず、遊水地として残す重要性をまざまざと見せてくれました。

だからこそ私たちは事業の見直しを訴え続けているのです。



流域治水の推進(国土交通省ホームページ)
流域治水の推進(国土交通省ホームページ)

2)水害の激甚化を受け、2021年、国は「もはや河川管理者が行うダムや堤防、下水道などのハード対策だけでは水害は防げない。自治体・企業・住民など流域の関係者すべてが協働し、流域全体を俯瞰した治水対策を行う」とする「流域治水」に転換している。






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