洪水シミュレーションへの質問。回答編 - 結果を黙殺した市。私たちの提案にも向き合わず
- ryuikichisui
- 2月10日
- 読了時間: 6分
更新日:2月10日

2025年11月、当会と市民技術者たちが新たに提出した洪水シミュレーション(メディカルタウンの工事が海老川流域に及ぼす影響)に対する質問書。その回答を12月24日、面談のうえ受け取った。
しかしその内容は私達が知りたかったこと「なぜこうなるのか」「どんな対策が考えられるのか」については、ほとんど何も答えていなかった。詳しくは後ほど読んでいただくとして、改めて思ったのは、2022年に市が行ったこのシミュレーションは、市民の安全を図るためのものではなく、組合に工事を開始させるためのアリバイづくりでしかなかったということだ。
そんなことはとっくの昔にわかっていたことじゃないかと言われそうだが、私達が実施から3年以上もたったこのシミュレーションを蒸し返したのには理由がある。2025年4月30日に市と組合の間で調った「雨水排水の全体計画」が、海老川流域全体を洪水から守るものではなく、事業地の中だけ水害から守るものだったからだ。
シミュレーションで浸水被害が大きくなるとわかったエリアの人達はどうなる。地球温暖化で豪雨が増えている今、流域を洪水から守ってきた遊水地(海老川上流地区)を盛り土でつぶしてどうする。その危機感が、私達を動かしたのだ。
国の水防理念「流域治水」では、あらゆる関係者が協働で洪水対策をする、とうたっている。ならば私達市民の側から海老川流域を洪水から守る「雨水排水の流域計画」を提案しようと考えた。
◆質問の観点
1,シミュレーションへの疑問を通して、「雨水排水の流域計画」立案のポイントを探る。
2,気候変動時代の「雨水排水の流域計画」を考える。
以下、主な質問と回答を抜粋、要約してお届けする。Q4~Q6は私達からの提案で、今後も市と協議していくつもりだ。
なおいつも市は「丁寧に説明を重ねる」と言うが、大本営発表の意見を何度聞かされても市民は納得しない。市民と協議し、その疑問に的確に答えてこそ市民の要望に応えたことになる。そのことを付記しておく。
参考→ 疑問続出。やり直しシミュレーションへの結果説明会1
■ やっぱり納得できない検証手法。
事業によって増す浸水被害にも向き合わず
◆検証条件とシミュレーションのやり直しについて

このシミュレーションは、使った河川のデータや土地利用図などのデータが古く、また内水氾濫や市管理河川の氾濫が図示されていません。そのため、船橋市と海老川上流地区土地区画整理組合、千葉県の責任においてシミュレーションをやり直し、真の事業リスクを明らかにしていただきたい。

市としては、説明会での浸水シミュレーション結果の説明、およびそれに対する質疑応答を行い、個別の質問等についても市民の皆様にご理解が得られるよう丁寧に説明を行ってきたものと考えております。またホームページでも市民の皆様のご理解が得られるように丁寧に説明を行ってきたものと考えております。つきましてはシミュレーションをやり直す考えはございません。
◆シミュレーションの影響図(結果)について

シミュレーションは県管理の三本の河川(海老川、長津川、飯山満川)についてしか行われなかったため、シミュレーションの影響図には市管理河川の浸水深の増減は図示されていません。そのため、たとえば海老川支流の念田川や北谷津川上流は色が塗られておらず、まるで事業の影響を受けないかのような印象を受けます。しかし実際には盛り土などによって事業地から周辺エリアに雨水が流れ出るうえに、地面の緩やかな勾配によって氾濫水が広がり、両河川の流域には大きな被害が出ると考えられます。リスク軽減のために取り得る対策は?


計画規模の降雨(1時間70ミリ)や想定最大規模の降雨(9時間516ミリ)は、現時点では河川整備などでは対応できない雨量となります。そのため各家庭において適切な避難行動をとるために日頃の備えをしていただくことが重要であり、引き続きマイタイムラインの作成の周知などに努めてまいります。

① 浸水深(影響図p.62)と浸水継続時間(p.65)を比較すると、下流の浸水深は減るが、浸水継続時間は逆に「宮本1、2丁目および本町4丁目」「市役所から本海川(ほんかいがわ)にかけてなど」で増えていることがわかります。「浸水深は減るのに浸水継続時間は増える」という矛盾した結果になった原因はなんでしょうか。

② 浸水継続時間だけでなく、p.60の図(計画規模の雨量=1時間70ミリ、県の河川工事をしなかった場合)でも、下流域で今より浸水深が増える場所があることがわかりました。こうした水害リスクの高い場所に対し、どのような対策が期待できますか?


本シミュレーションでは、事業の前後の浸水被害の増減を図示することを目的としているため、ご質問のような個々の現象の要因については把握しておりません。
■ 気候変動時代の治水を市民が提案。
念田川の拡幅と調整池の新設
◆流域全体を見据えての質問-念田川について

河床掘削など、念田川の排水能力を上げられませんか? なぜなら以下の理由で念田川の水量が増加するからです。
市が洪水対策と言って事業地内に造る6つの調整池では、海老川上流地区という低湿地に溜まっていた水は受け止めきれない。
宮前川のボックスカルバート*化と念田橋のカルバート化、念田川下流の堰の撤去によって、念田橋以南の水量が増加する。
事業地周辺の土地が埋め立てられ(金属スクラップヤードや宅地)、念田川に流れ込む水量が増える。
*ボックスカルバートは四角い断面をもつ筒型の鉄筋コンクリート構造物。排水路や地下通路などに使われる

河川整備については下流の海老川と整合を図る必要があるため、念田川の断面(排水能力)をこれ以上大きくすることはできません(念田橋から下流は一部を除き1時間50ミリの降雨対応)。

念田川を二級河川に昇格させ、県と共に念田川と海老川を一体で整備することが望まれます(念田川は海老川の上流にあたる)。費用面でもメリットがありますが、その可能性は?

海老川流域の治水においては、千葉県の事業である海老川の河床掘削、海老川調節池および飯山満川を早期に整備することが重要であると考えます。このため、現在は念田川を二級河川に昇格させ、海老川と一体で整備する考えはございません。
◆流域全体を見据えての質問-調整池の造成


Q 海老川の上流に新たに調整池を造ることを提案します。海老川に流れ込む水を減らすためには、上流で水を溜めることが重要だからです。場所の提案を行いました。

調整池等の整備に関しては、河川整備の設計段階において河道整備とのバランスを考慮しながら必要な容量や設置場所を検討することになります。現在のところ、ご提案がありました北谷津川、念田川、高根川の場所について、具体的な施設を設置する予定はありません。



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